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デザイナーズノート

■拡張セットの方向性を考える

『名もなき魔王』の拡張セットを考えるにあたり、最初に思いついたのは、普通のトレーディングカードゲームのように新しいカードやルールを増やすという手法でした。

しかし、新しいカードやルールを追加すると、ほとんどの場合はゲームが複雑になるので、1ゲームの時間がさらに長くなるのは避けられません。

1ゲームの時間が長いことは、初プレイの敷居を高くしてしまい、負けた時に再プレイしようという気力を失わせます。

只でさえゲーム時間の長さがネックになっているゲームで、この方向に進むのは厳しいと判断せざるを得ませんでした。

コンセプトイメージ1

■ショートゲーム用拡張セット…ゲームを短くするために拡張する?

もし、拡張セットを導入することで、いくつかのルールの追加や変更が許されるなら、拡張セットのテーマは“ゲーム時間を短くする”ところから始めたいと考えました。

①「3-3-3」の9ラウンドを何ラウンドまで減らすか?

「3-3-1」「2-2-2」などのいくつかのパターンを検討をした結果、序盤はゆっくりと展開し、徐々にクライマックスへと加速する「3-2-1」の6ラウンドにすることにしました。

②6ラウンドになって山札の数が減った分、何を削ればいいのかを考える。

【ユニット】と【テリトリー】があればゲームはとりあえず成立するので、【アーティファクト】を中心に山札のカードを削ってみることにしました。

こうして、全6ラウンドの〈スタンダード〉モードが完成。そこにゲーム全体に対するバランス調整を目的として、【テリトリー】の獲得に関する追加ルール1を採用しました。

コンセプトイメージ2

■新しいカードの追加

上記の〈スタンダード〉モードは、基本ゲームの短縮版でしかなく“新しい遊びの提供”という、拡張セット本来の目的を果たすことができません。
そこからさらに“ショートゲーム用に調整した新しいカード”という追加要素を加えて、ゲームをリデザインしていきます。

①初期手札に変化をつける

初期手札が同じ場合、第1ラウンドの展開は手番順の影響を大きく受けてしまいます。このため〈アドバンスト〉モードでは、プレイヤーによって初期手札が違う状態で始める《ゴブリン ソルジャー》のジョブチェンジという追加ルール2を採用しました。

②【アーティファクト】の代替えの効果をもつ【ユニット】カード。

【アーティファクト】のアビリティは主に“起動型アビリティ”だったので、それと同じものを【ユニット】カードに持たせようと、【ユニット】として使うか【アーティファクト】として使うかの選択になってしまいます。
このため、新しいカードは【ユニット】カードを“置いた時”“配置すること”で機能するアビリティを中心に設計しました。そうすることで【ユニット】として機能しながらも、【アーティファクト】の代用としてのアビリティを使うことが、できるようになりました。

「配置」と「アビリティを使う」ことが同時になるので、ギミックとしては基本セットのカードよりも複雑なものになっているのですが、戦場の陣取りパズル的な要素がより面白くなったのでは?と考えています。これで〈アドバンスト〉モードが完成しました。

コンセプトイメージ3

■基本ゲームへの還元

〈スタンダード〉モードで採用した【テリトリー】カードの獲得に関する追加ルール1は、基本ゲームのバランス調整も兼ねています。今回の拡張セットのルールブックでは、このルールを基本ゲームで採用した場合を基本ゲーム+1モードとして、このモードで遊ぶ時、カード構成をどうするかを記載しています。

コンセプトイメージ4