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委託販売

デザイナーズノート

●コンセプト


 蓑竹屋GAMESはこれまで、どちらかと言うとクローズ会向けのゲームを作ってきましたが、今回はオープン会でもインストしやすく遊びやすいミドルクラスのゲームを目指してみました。

 生産をテーマにしたゲームといえば「素材で施設を購入し、施設の能力を使って新たな素材を得たり、勝利点を獲得する」という、いわゆる拡大再生産のゲームが多いのですが、拡大再生産のゲームは、どうしてもゲーム時間が長くなる上、個々の施設の能力を把握するまでが大変です。

 このゲームでは、インストを軽くするために拡大再生産の要素をなるべく排除し、「素材を集めて、勝利点に変える」という2段階の処理だけで、面白いゲームを構築できないだろうか?と考えてみました。


●バックストーリー


 このゲームを作り始めた当初は、錬金術師が自分のアトリエに本棚や机を揃えていくというインテリアコーディネートのゲームでした。

 しかし、作ってる途中で「あ、これは、さ○ころ倶楽部で見たやつや・・・」と気付き、なにか他のテーマにできないかと考えて、勇者アバターに剣や鎧を着せていく、いつものRPGテーマとなりました。

 コンピュータRPGの勇者は王様から特命を受けて旅立つにもかかわらず、貧弱な装備しか渡されない理不尽さをよく漫画などでネタにされますが、ゲームの中の町の人がそれを見たらどう思うのか?というところから話を膨らませています。


●ゲームシステム


 このゲームは基本、ワーカープレスメントゲームと同じ「早い者勝ち」のルールを採用していますが、ゲーム中の3箇所で、順番の入れ替わりがおこるシステムになっています。

 それぞれの行動で1番になるためには、なんらかのコストが必要だったり、デメリットがあるようになっています。例えば、スタートプレイヤーになるためには1手番必要だったり、1番にアクションをするなら同ラウンドの2手目はブービーになる・・・などです。

①プロットする順番

 スタートプレイヤーからプロットしていきますが、このプロットは1手目の行動が遅いほど、2手目の行動が有利になるため、1手目の行動はできるだけ遅く設定したいところですが、遅いと目的の素材がとれない可能性が高くなります。
 ギリギリ何番目なら目的の素材がとれるかが、悩みどころとなっています。

②アクションする順番

 ここでは、最後にプロットしたプレイヤーが、最初に行動したりすることも珍しくありません。
 プロットの番号順にアクションカードを表にして解決していきますが、他の人が何を狙っていたかは、ここで初めて分かるため、自分の判断が正解だったか失敗だったか・・・その結果に一喜一憂することになります。

③装備カード(VP)をとる順番

 装備カードをとる順番ですが、装備カードと一緒にとらなければならないアーティストカードは、場に人数分用意されていません。
 そして装備カードをとる権利は一周しますが、後になった人は残ったカードの中から選ばなくてはならなくなります。


●参考作品


 このゲームは『アド・アストラ』という少し古めのボードゲームのプロット部分を参考にしています。

 『アド・アストラ』が「プロット+全体アクション」だったのに対し、このゲームは「プロット+ワーカープレスメント」にアレンジをしています。

 ただ、装備カードをとる部分など、全体アクションほうが面白いと思われる部分には、その面影を残していたりします。